胆膵内視鏡治療の実際
より安全な処置法を目指して
- 【監修】
丹羽 寛文
- 【編集】
田尻 久雄,藤田 直孝
- 【ISBN】
4-88875-109-9
- 【本体価格】
10,000円
- 【刊行年月】
1998年 10月
- 【版組】
B5判 上製
- 【ページ数】
128ページ
- 【在庫】
なし
- 【改訂版】
胆膵内視鏡治療の実際 改訂新版
監修のことばより
胆膵疾患領域における治療法の開発,進歩には驚嘆すべきものがあり,これらの方法は現在かなりの普及をみるに至っている.さらに前処置の改善,内視鏡自体ならびに処置具の絶えざる開発,改良,加えて内視鏡医の技術の進歩もあって,適応とされる疾患範囲も次第に拡大傾向にある.しかしその一方,この領域では臓器の複雑な解剖学的特性,機能を反映して,治療処置に伴う偶発症の発生は他の消化器領域に比べ頻度も高く,また重大なものが多いのも事実である.しかも適応の拡大,治療の普及とともに偶発症の発生もまた増大傾向にあるのは否めない.本書では,胆膵内視鏡検査ならびに内視鏡治療を,安全かつ患者にできるだけ苦痛を与えないように実施するためには,術者としてどのようなことに留意して当たるべきか,実際的,かつ細かい点まで具体的に解説していただいた.
目 次
- 1.カニュレーションの基本とコツ
- 1) 前処置,前投薬とモニタリング
- 2) 安全に行うための手技の実際
- スコープ・カニューレ・造影剤の選択/カニュレーションのコツ/カニュレーション困難例に対する工夫/検査時間/初心者のトレーニング
- 3) 処置具,機器の洗浄,消毒の注意
- 4) 治療成績,偶発症とその対策
- 2.ERCPの手技を応用した膵精査法
- 1) 膵管の細胞診,生検
- 2) 膵液による癌遺伝子診断
- 3) 膵管内視鏡
- 4) ERP-CT
- 3.安全な胆膵内視鏡治療のための精査法ーEUS,IDUS
- 1) EUS,IDUSによる胆膵の検査法
- 2) 内視鏡治療からみたEUS,IDUSによる胆道疾患の診断
- 3) 内視鏡治療からみたEUS,IDUSによる膵疾患の診断
- 4.安全にESTを行うために
- 1) EST施行時の要注意例
- 2) EST施行上のポイント
- 3) ガイドワイヤ一チャンネル付きスフィンクテロトーム
- 5.内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
- 1) EPBDによる総胆管結石治療のわれわれの成績
- 2) EPBDによる総胆管結石治療の実際
- 6.採石・砕石術
- 適応/前処置/使用器具/採石・砕石方法/治療成績/治療困難例への対応/術後処置/器具の洗浄消毒/胆嚢結石併存例への対応/結石の遺残と再発
- 7.内視鏡および経皮経肝的胆道ドレナージ術
- 前処置,術中管理/器具/手順/ガイドワイヤ一による狭窄部の通過/メタルステントを用いた肝門部胆管悪性狭窄のスティンティング/偶発症対策
- 8.経乳頭的胆道ドレナージ術
- 種類と用語/内視鏡的逆行性胆道ドしナージ(ERBD)の適応/ERBDの手技/新しい試み/ERBDの実際/偶発症の対策/今後の展望
- 9.膵石症に対する内視鏡治療とESWL
- 適応/治療手技の実際/治療成績
- 10.超音波内視鏡下穿刺術
- 超音波内視鏡下穿刺術の進歩/対象/現況/GF-UM30Pを用いた超音波内視鏡下穿刺術/安全に行うために
- 11.内視鏡的乳頭切除術
- 目的/対応/術前検査/乳頭切除術の実際