臨牀透析 Vol.40 No.1(2-1)


特集名 骨合併症(骨折,アミロイド症を含む)
題名 骨合併症の評価法 (1) 骨代謝マーカー
発刊年月 2024年 01月
著者 山田 真介 大阪公立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
【 要旨 】 骨代謝マーカーは,測定時点の骨代謝状態を反映するバイオマーカーであり,骨粗鬆症の薬剤選択およびその効果判定を行う際に活用される.現在保険診療上測定可能な骨マーカーの中で透析患者に最適なものとしては,骨吸収マーカーであればTRACP5bが,骨形成マーカーであればBAPもしくはPⅠNPが挙げられる.これらは日内・日差変動が少なく,腎機能低下による体内蓄積の影響をほとんど受けないため,測定時間に縛られず,また偽高値を呈することもなく,より正確に骨代謝状態を評価することができる.骨形成は骨吸収の刺激で惹起されるため,骨代謝回転を把握する目的であれば,食事や透析操作の影響が少ないTRACP5bが最も使い勝手のよい骨代謝マーカーであると考えられる.
Theme Bone complications in dialysis patients including bone fractures and dialysis-related amyloidosis
Title Bone turnover markers
Author Shinsuke Yamada Osaka Metropolitan University
[ Summary ] No Summary
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