臨牀透析 Vol.38 No.6(7)


特集名 CKD診療における漢方と補完代替療法
題名 透析患者に対する鍼灸治療
発刊年月 2022年 06月
著者 山口 智 埼玉医科大学東洋医学科
【 要旨 】 鍼灸治療は,2,000年以上の長い歴史を有する東洋古来の伝統医療であるが,現在,本邦の診療ガイドラインやCochrane等において,疼痛や不定愁訴等の疾患が肯定的に記載されている.
鍼治療の作用機序は多岐にわたるが,おもに高位中枢を介し,生体の正常化に関与することが特質である.
当科で,維持透析患者の鍼治療効果について分析した結果,患者が有する疼痛や痒み・倦怠感等の多種多様な愁訴に対し有効性が高く,また,QOLの向上に寄与することが示された.さらに,糖尿病の有無によりその効果に一部差異があることもわかった.こうした鍼の作用機序については,末梢循環動態の正常化や自律神経系を介して愁訴の改善に関与することも明らかとなった.
Theme Medical practice of Kampo and complementary & alternative medicine in CKD
Title The efficacy of acupuncture and moxibustion on dialysis patients
Author Satoru Yamaguchi The Center for Oriental and Integrative Medicine, Saitama Medical University
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