臨牀透析 Vol.38 No.2(4)


特集名 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
題名 長時間作用型ESA vs. 短時間作用型ESA
発刊年月 2022年 02月
著者 濱野 高行 名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科学分野
【 要旨 】 日本人においても赤血球造血刺激因子製剤(ESA)高用量投与は心血管イベントの増加をもたらすことは,疫学データから判明しており,日本人だから安全というのは根拠のない神話である.日本透析医学会統計調査データの解析によれば,長時間作用型ESAは短時間作用型に比して死亡率が13%高かった.このことは,長時間作用型ESAであっても投与間隔を短くすると総投与量が減ることを考えれば,理解できる結果である.また投与量が多いほど両者の死亡率の差は大きく,ESA用量換算比を考えての層別解析でも同様なことが確認された.たとえばダルベポエチンが15µg/week以下の投与量ではエポエチンα/βとの死亡率に差はなかったが,それより高用量の投与では短時間作用型ESAのほうが有意に死亡率は低かった.
Theme Questions and answers in renal anemia treatment -- by HIF-PH inhibitors, ESA, and iron agents
Title Long acting ESA vs. short acting ESA
Author Takayuki Hamano Department of Nephrology, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences
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