臨牀透析 Vol.36 No.1(4-1)


特集名 透析患者の感覚器障害
題名 嗅覚障害 (1) その実態
発刊年月 2020年 01月
著者 三輪 高喜 金沢医科大学耳鼻咽喉科
【 要旨 】 嗅覚障害はさまざまな疾患により発生するとともに,加齢によっても嗅覚は低下する.しかし腎不全や透析患者での実態は不詳である.嗅覚障害はその発生部位と原因疾患により,気導性嗅覚障害,嗅神経性嗅覚障害,中枢性嗅覚障害に分類され,病態により治療方法が異なるため,鼻内視鏡検査やCT,MRIなどの画像診断による原因疾患の鑑別が重要である.加齢に伴う嗅覚障害はほかの感覚低下と比べて自覚に乏しい.しかし,嗅覚障害によるフレイル,サルコペニアの発生のみならず,神経変性疾患の初期症状の可能性もあり,また,嗅覚脱失者では5 年後の死亡率がほかの疾患よりも高くなることから見逃せない症状である.嗅覚低下の予防には,リスクファクターの回避に加えて,適度な運動や嗅覚刺激療法が有用である.
Theme Sensory organ impairments in end stage kidney disease patients
Title Olfactory dysfunction
Author Takaki Miwa Department of Otorhinolaryngology, Kanazawa Medical University
[ Summary ] No Summary
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