特集名 | 透析患者における心・血管系合併症と対策 | |
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題名 | 心・血管系合併症を有する透析者の管理と治療 (5) 透析方法 | |
発刊年月 | 2001年 09月 | |
著者 | 平井 康裕 | 大阪労災病院人工透析室・臨床工学技士 |
著者 | 海本 浩一 | 大阪労災病院人工透析室・臨床工学技士 |
著者 | 宇津 貴 | 大阪労災病院腎臓内科 |
著者 | 山内 淳 | 大阪労災病院腎臓内科 |
【 要旨 】 | 心・血管系合併症を有する透析患者は,血液浄化療法中に不整脈や血圧低下をきたしやすい.心電図モニターを装着し透析中の循環動態を監視するとともに,透析液のナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム濃度等を調整する.ダイアライザ一や血液回路の変更による体外循環血液量の削減や,除水量の制限,ECUM併用等も循環血漿量の維持に有用である.血液透析以外には,血液濾過や血液透析濾過が血圧維持に優れているとされる.バイオフィルトレーションは,重炭酸の大量投与によるアシドーシス是正に伴い,心循環器系に対し有利に働くと考えられている.間欠的な血液浄化では循環動態を保持するのに困難な場合,持続的血液浄化を行う.今後,心・血管系合併症を有する透析患者はますます増加してくるものと予想され,患者個々の病態に応じた技術的サポートが必要になってくるものと考えられる. |