臨牀消化器内科 Vol.37 No.8(2-2)


特集名 ウイルス肝炎制御時代の肝発癌
題名 HCV駆除後の肝発癌における課題 (2) HCV駆除後発癌の基礎的考察―形態とゲノムからの考察
発刊年月 2022年 08月
著者 相崎 英樹 国立感染症研究所・ウイルス第二部
著者 青柳 東代 国立感染症研究所・ウイルス第二部
著者 杉山 真也 国立国際医療研究センター
著者 村松 正道 国立感染症研究所・ウイルス第二部
著者 溝上 雅史 国立国際医療研究センター
著者 脇田 隆字 国立感染症研究所・ウイルス第二部
【 要旨 】 HCVによる発癌の原因として，慢性炎症，線維化，脂肪性肝炎，酸化・ERストレス，ウイルスタンパクによる発癌関連シグナル伝達経路の異常などが報告されている．SVR後の病態，発癌メカニズムの理解のために，SVR患者についてオルガネラレベル，遺伝子レベルで観察，解析を行った．電顕病理学的解析の結果，HCV排除後も細胞周囲線維化，微小脈管系の異常などにより，酸化・ERストレスを生じている可能性が考えられた．さらに，遺伝子発現解析の結果，HCV排除後もエピジェネティックな修飾などにより発癌関連シグナル伝達系の異常が残存しているものと考えられた．肝発癌の初期を捉えるために，SVR後も個々の患者の病態に応じたフォローアップが必要である．
Theme Hepatocarcinogenesis in the Era of Elimination of Hepatitis Viruses
Title Mechanism of Liver Carcinogenesis after HCV Elimination
Author Hideki Aizaki National Institute of Infectious Diseases
Author Haruyo Aoyagi National Institute of Infectious Diseases
Author Masaya Sugiyama National Center for Global Health and Medicine
Author Masamichi Muramatsu National Institute of Infectious Diseases
Author Masashi Mizokami National Center for Global Health and Medicine
Author Takaji Wakita National Institute of Infectious Diseases
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