臨牀消化器内科 Vol.37 No.2(1)


特集名 高齢者の消化器疾患―適切な診断法と治療法を目指して
題名 胃食道逆流症(GERD)
発刊年月 2022年 02月
著者 藤原 靖弘 大阪市立大学消化器内科学
【 要旨 】 高齢者GERDの特徴は,①女性に多い,②食道裂孔ヘルニア合併が多い,③円背・骨粗鬆症が関連する,④重症逆流性食道炎が多い,⑤Helicobacter pylori感染・胃粘膜萎縮が少ない,⑥無症候性が多い,⑦狭窄・出血が多い,である.治療はNERDでは初期治療・維持療法ともにPPI,軽症逆流性食道炎では初期治療はPPIまたはP-CAB,維持療法はPPI,重症逆流性食道炎では初期治療・維持療法ともにP-CABが第一選択である.安全な薬物治療の観点から,PPIやP-CABは必要最小限の用量を用いて長期管理することが重要である.高齢者にはせん妄のリスクなどからH2RAは第一選択とならず,使用を控えることが望ましい.本稿では,「高齢者GERDガイドライン」,「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」,「GERD診療ガイドライン2021」を基に総説する.
Theme Gastrointestinal Disorders in the Elderly -- Aiming for Appropriate Diagnosis and Treatment
Title Gastroesophageal Reflux Disease (GERD)
Author Yasuhiro Fujiwara Department of Gastroenterology, Osaka City University
[ Summary ] No Summary
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