特集名 |
肝の超音波を知り尽くす―肝腫瘍の診断と治療支援 |
題名 |
腫瘍診断 (1) LI-RADS(超音波,造影超音波) |
発刊年月 |
2022年 12月 |
著者 |
南 康範 |
近畿大学医学部消化器内科/ACR CEUS LI-RADS Working Group |
著者 |
工藤 正俊 |
近畿大学医学部消化器内科/ACR CEUS LI-RADS Working Group |
【 要旨 】 |
LI-RADS (Liver Imaging Reporting and Data System)はAmerican College of Radiology(ACR)が提唱する肝細胞癌の診断アルゴリズムであり,超音波検査(US)によるスクリーニングを目的としたUS LI-RADS,造影所見による診断を目的としたCT/MRI LI-RADSとCEUS LI-RADS,そして治療効果判定のCT/MRI LI-RADS treatment response algorithmがある.LI-RADSを用いたレポーティングシステムは米国の病院に広く採用されるようになり,肝癌診療の標準化に繋がった.そして,2018年にLI-RADSが米国肝臓学会の肝細胞癌診断基準として正式に採用された.さらに,CT/MRI LI-RADSは11カ国語,CEUS LI-RADSは8カ国語の言語に翻訳され,世界中から注目を集める診断アルゴリズムとなっている.しかし,現行のCEUS LI-RADSは本邦で認可されている超音波造影剤(ソナゾイド)に対応していないこともあり,われわれの日常診療においてCEUS LI-RADSが用いられる機会は非常に限定的である.しかし,CEUS LI-RADSがソナゾイドに対応することで将来の世界標準となる可能性もあり,その動向が注目される. |