臨牀消化器内科 Vol.13 No.13(2)


特集名 消化管治療薬の使い方 --その根拠と問題点
題名 ヒスタミン受容体拮抗薬(H2RA)
発刊年月 1998年 12月
著者 今泉 弘 北里大学医学部内科
著者 西元寺 克禮 北里大学医学部内科
【 要旨 】 ヒスタミン受容体拮抗薬(H2RA)は,胃酸に関連した上部消化管疾患に有効性を発揮する酸分泌抑制薬の一つである.とくに消化性潰瘍の初期治療については,H2RA,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の登場によりほぼ満足すべき成績が待ちれるようになった.その一方,少数ながらもH2RA,PPI抵抗性潰瘍も存在すること,さらに再発率は依然高率であることより潰瘍の自然史を変えうるものではないことが判明してきた.近年,Helicobacter pyloriの除菌により消化性潰瘍の再発を著しく抑制させうることが確認されてきた.しかし,わが国ではいまだ除菌療法が保険適応外でごく限られた施設のみで行われているにすぎない.したがって,消化性潰瘍におけるH2RAの果たす役割はPPI同様に大きい.H2RAは胃酸分泌抑制薬としてもっとも繁用されている薬剤である.それだけにH2RAを漫然と使用することなく,その特徴ならびに副作用,薬物相互作用を十分理解し使用することが肝要である.
Theme Direction of the Prescription for Gastrointestinal Tract
Title H2-Receptor Antagonists for Gastrointestinal Disease
Author Hiroshi Imaizumi Dapartment of Internal Medicine, Kitasato University Schooi of Medicine
Author Katsunori Saigenji Dapartment of Internal Medicine, Kitasato University Schooi of Medicine
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