日本における大腸癌の大規模臨床試験/大腸癌化学療法において「費用対効果」を考える意義/〈大腸癌取扱い規約〉における病理所見の判定方法


大腸疾患NOW 2017-2018 日本における大腸癌の大規模臨床試験 ほか

  • 【編集主幹】 杉原 健一
  • 【編集】 五十嵐 正広/渡邉 聡明/大倉 康男
  • 【編集顧問】 武藤 徹一郎
  • 【ISBN】 978-4-88875-292-3
  • 【本体価格】 7,000円
  • 【刊行年月】 2017年 01月
  • 【版組】 B5
  • 【ページ数】 200ページ
  • 【在庫】 なし

序文から抜粋
今回はテーマを三つ設定しました。一つ目は「日本における大腸癌の大規模臨床試験」で,2000年に入るまでは大腸癌領域でのRCTは少なく、2000年に入ってから大腸癌領域でのCQを解決するためのRCTが企画され、実行され、その成果が最近ようやく論文として公表されるようになりました。それらの大腸癌のRCTの中から、手術療法のRCTを2本、補助療法のRCTを4本、切除不能大腸癌に対する化学療法のRCTを3本選び、それらの臨床試験で重要な役割を担った先生方に執筆をお願いしました。
二つ目は「大腸癌化学療法における費用対効果」です。2016年12月現在、免疫チェックポイント阻害剤が高額であることから、厚労省は2017年2月から薬価を50%引き下げることを決めました。医療費の約90%は支払基金や公費で賄われており、早急に費用対効果を真剣に討議することが必要になりました。
最後は、「〈大腸癌取扱い規約〉における病理所見の判定法」です。〈大腸癌取扱い規約〉は日本における大腸癌診療の拠り所となっていますが、病理医が判定に苦慮する項目がいくつかあります。それらを第一線で活躍している先生方に解説してもらいました。
主な内容
テーマ1 日本における大腸癌の大規模臨床試験  
1. 臨床試験から見た大腸癌の手術療法  
  • 直腸癌に対する側方郭清[JCOG0212試験]/腹腔鏡大腸癌手術[JCOG0404試験]
 
 
2.臨床試験から見たStageⅢ大腸癌の補助療法  
  • 5-FU+l-LV 静注療法vs. UFT+LV 錠経口併用療法[JCOG0205試験]/UFT/LV療法vs.S-1療法[ACTS-CC試験]/capecitabine療法vs.S-1療法[JCOG0910(CAPS)試験]/StageⅡ, Ⅲ直腸癌に対する術後補助化学療法としてのS-1とUFTの第Ⅲ相比較臨床試験 [JFMC35-C1: ACTS-RC試験]
 
 
3.臨床試験から見た切除不能大腸癌の化学療法  
  • SOX+bevacizumab療法vs. mFOLFOX6+bevacizumab療法[SOFT試験]/mFOLFOX6+bevacizumab療法vs.FOLFIRI+bevacizumab療法[WJOG 4407 G試験]/二次治療におけるFOLFIRI療法vs. IRIS療法[FIRIS試験]
 
   
テーマ2 大腸癌化学療法において「費用対効果」を考える意義
 
テーマ3 〈大腸癌取扱い規約〉における病理所見の判定方法
1.リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣(EX)の解説
2.神経侵襲(PN)の解説
3.ly,vの解説
   
大腸癌研究会 研究成果より
【大腸癌研究会アンケート調査報告】  
  • 大腸鋸歯状病変の癌化/括約筋間直腸切除術(ISR)の適応と長期成績/遺伝性大腸癌に関する現状について
【大腸癌研究会優秀発表賞】  
  • 鋸歯状病変を併存した大腸癌の臨床病理学的特徴/切除可能な肝転移を有するStage IV大腸癌の予後規定因子に関する多施設共同研究/Stage IV大腸癌の細分類を考えるに当たっての問題点の検討/下部直腸癌におけるISRの長期治療成績(手術成績と肛門機能)について