大腸癌化学療法の最新情報と大腸癌研究の進歩の最新知見 2011年1月刊行


大腸疾患NOW 2011

大腸癌に対する化学療法の最新情報

  • 【【編集主幹】】 武藤 徹一郎
  • 【【編集】】 杉原 健一/藤盛 孝博/五十嵐 正広/渡邉 聡明
  • 【ISBN】 978-4-88875-235-0
  • 【本体価格】 3,600円
  • 【刊行年月】 2011年 01月
  • 【版組】 B5判
  • 【ページ数】 124ページ
  • 【在庫】 なし

今回の特集では、近年進歩の著しい大腸癌の化学療法に焦点を絞って、その最新情報をお報せすることにした。
まず、臨床試験とはどの様なもので何故必要なのかという疑問に対する分り易い解答が示され、stageII大腸癌に対する補助化学療法の適応を決めるハイリスク因子についての解説がある。とくに後者は日常診療の場でしばしば問題になる課題であり、読者には大変参考になるだろう。切除不能大腸癌に対する分子標的薬の使い方、高齢者大腸癌の化学療法についての情報も、初心者にとっては有用であるに違いない。
大変興味深いのは大腸癌化学療法と医療経済に関する情報であろう。医師の中で、化学療法を受けるといくらかかるのかを気にかけている者がどれほどいるのだろうか。われわれ医療人は、請求書を出すまでは患者に治療費の説明をしないという不思議な世界に住んでいるが、これでよいのだろうか
その他、小腸癌に関するアンケート調査の結果報告、第71回、72回大腸癌研究会優秀発表賞の授賞論文各2編ずつが掲載されており、いずれも科学的内容に富んだ論文である。
主な内容
【特集】 大腸癌に対する化学療法の最新情報
1. 臨床試験―どのような臨床試験がなぜ必要か
  • 第Ⅰ相試験/第II相試験/第III相試験(無作為化割付/中間解析)
2.StageII大腸癌に対する補助化学療法―臨床試験からみた・ハイリスク因子
  • StageII結腸癌に対する補助化学療法/StageII結腸癌の高リスク因子/StageII直腸癌に対する補助化学療法と高リスク因子/現在進行中の臨床研究
3.切除不能大腸癌に対する分子標的治療薬の使い分け
  • 分子標的治療薬(bevacizumab/cetuximab/panitumumab)/分子標的治療薬の使い分け(現在の標準治療/実際の使い分け ①KRAS変異型症例 ②KRAS野生型症例 a.bevacizumab vs 抗EGFR抗体薬 b.bevacizumab beyond progression;BBP vs 抗EGFR抗体薬 c.cetuximab vs. panitumumab d.bevacizumabと抗EGFR抗体薬の併用)
4.高齢者の大腸癌化学療法について
  • 現状/化学療法における若年者と高齢者/aggressive treatment と non-aggressive treatment
5.大腸癌化学療法と医療経済
  • 医療経済性評価の概念とその実際/わが国の大腸癌化学療法における医療経済性評価の意義
【TOPIC】ASCO 2010から最新のトピック
大腸癌研究会 研究成果から
  • 小腸癌(空腸・回腸癌)に関するアンケート調査
StageII大腸癌における術前血清予後マーカー因子の検討
大腸癌におけるリンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣のstage分類上の扱いに関する多施設研究
大腸癌における郭清リンパ節個数の予後因子としての意義―多施設研究
大腸pSM癌の長期成績および追加切除の意義の検討