古今東西の膨大な資料を集めて内視鏡の歴史をたどり,将来の発展を展望


消化管内視鏡の歴史 改訂増補第2版

  • 【著】 丹羽 寬文(日本消化器内視鏡学会名誉理事長・最高顧問/聖マリアンナ医科大学客員教授 )
  • 【ISBN】 978-4-88875-234-3
  • 【本体価格】 20,000円
  • 【刊行年月】 2010年 12月
  • 【版組】 B5判上製
  • 【ページ数】 662ページ
  • 【在庫】 僅少
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序文より抜粋
本書は1997年4月に刊行した「消化管内視鏡の歴史」を全面的に改定し大幅に増補したものである.
初版発行以来既に10年余り経過し,この間のこの領域の進歩,発展は極めて目覚ましい.この様な背景を踏まえて,本書は2008年5月の日本消化器内視鏡学会創立50周年記念式典に合わせて刊行の予定であったが,新たに検討調査すべき事項があまりにも多く,また著者の専門外の消化管外の消化器領域の事項も多々あってその調査に手間取り,心ならずも発行が大幅に遅れ,この度ようやく発刊の運びとなった.
歴史をみると内視鏡の開発・発展はある日突然急に出来たものでは無く,過去の業績,失敗を踏まえて周辺科学技術の進歩と共に徐々に発展してきて居る.
「どんな賢明なことでも既に考えられている.それをもう一度考えてみる必要があるだけだ−−(ゲーテ)」 . 内視鏡の歴史を見ると,一層その感を深くする.
また同じ時代,同じ時に複数の人が同じ様なことを考えるものでもある.それを取り上げさらに発展させるには過去の事例に学ばなければならない.このことは本書を紐解いて戴ければ随所に先例が見られる.その意味で論語にある 「温故知新」を肝に銘じて戴きたい.また 「養之如春」 とも言う.これを養うに春の如し と読めば良いと思うが,これは作家の井上靖氏が好んで揮毫した文言という.その意味は物事はすべて一朝一夕に出きるものでは無く,春になって暖かくなると植物の種が芽を出し双葉が出る.次いで本葉が出て花が咲く,ついには実を付ける様に,すべて物事を成就するには春の日が万物を育てる様に徐々に育てていくべきで,決して速成栽培で出来るものでは無いということである.内視鏡の歴史を振り返ってみると,たしかにその感を深くする.
主要内容
第1章 古代,中世から近世までのスペクラ
第 2章 内視鏡の夢想
第 3章 最初の内視鏡−BozziniのLichtleiter
第 4章 Ségalas,Fischer,Avery,Bonnafontの内視鏡
第 5章 Désormeauxの内視鏡
第 6章 Kussmaulの胃鏡と剣呑み
第 7章 白熱白金線光源の開発
第 8章 喉頭鏡と硬性食道鏡
第 9章 硬性胃鏡の発展
第10章 軟性胃鏡の発展
第11章 胃カメラのアイデアと胃壁透光法
第12章 最初の食道カメラとSchaafの胃カメラ
第13章 最初の胃カメラ−LangeおよびMeltzingの胃内撮影装置
第14章 針穴式立体胃カメラ−Gastrophotor
第15章 胃鏡による写真撮影と生検
第16章 日本における胃カメラの開発
第17章 胃カメラの改良と臨床応用
第18章 Ⅴ型胃カメラと紫外線胃カメラ
第19章 Va型胃カメラとその他の胃カメラ,海外の反響
第20章 早期胃癌の日本内視鏡学会分類
第21章 ファイバースコープの開発
第22章 胃ファイバースコープの発展
第23章 食道ファイバースコープとパンエンドスコープ
第24章 経鼻内視鏡
第25章 十二指腸の内視鏡
第26章 小腸の内視鏡
第27章 直腸鏡
第28章 胃カメラ方式による大腸の検査
第29章 大腸ファイバースコープ
第30章 電子スコープ
第31章 色素内視鏡検査
第32章 赤外線電子スコープ
第33章 Narrow Band Imaging(NBI),FICE,AFI,内視鏡観察法の分類
第34章 拡大内視鏡
第35章 胆道鏡・膵管鏡・腹腔鏡
第36章 カプセル内視鏡
第37章 超音波内視鏡,EOCT
第38章 治療内視鏡 その ① ポリペクトミー,注射,止血法,EMR,ESD
第39章 治療内視鏡 その ② 硬化療法,パピロトミー,ステント,腹腔鏡下手術,NOTES
第40章 日本消化器内視鏡学会の創立とその後の発展
第41章 世界消化器内視鏡学会(OMED)の活動
第42章 アジア太平洋消化器内視鏡学会(APSDE)の沿革と活動
第43章 今後の展望と内視鏡医の心構え