《大腸癌取扱い規約》病理診断上の問題点

大腸疾患NOW 2010特別号

  • 【【監修】】 武藤 徹一郎
  • 【【責任編集】】 藤盛 孝博
  • 【【編集】】 大腸疾患NOW 編集委員会
  • 【ISBN】 978-4-88875-226-8
  • 【本体価格】 8,400円
  • 【刊行年月】 2010年 01月
  • 【版組】 B5判
  • 【ページ数】 260ページ
  • 【在庫】 なし

主な内容
[総 論]
1.潰瘍性大腸炎におけるdysplasiaの診断の問題点と治療戦略
  • UCに発生するdysplasiaの病理組織診断/surveillance colonoscopyにおける生検の問題点/dysplasia のgradeと手術適応low grade dysplasiaの適応は?/生検の結果と治療方針の決定
2.大腸癌の発生から進展(臨床病理学的,分子病理学的)
  • 腺腫-癌関連発癌経路/de novo型発癌経路/鋸歯状発癌経路/炎症発癌経路/過誤腫-腺腫-癌関連発癌経路/発生部位に基づいた大腸腫瘍発生仮説
3.陥凹型早期大腸癌の総括
  • IIcの発見/形態分類と発育進展/内視鏡像と病理/頻度/臨床的特徴と今後の課題
4.動物モデルを用いた癌幹細胞の解析と応用
  • 癌幹細胞理論に基づく癌組織の不均一性 /癌幹細胞理論に基づく治療戦略の変化/骨肉腫iCSCの腫瘍形成能と分化の影響/脳腫瘍iCSCの樹立
5.大腸癌の転移機構
  • Ewingのmechanical-anatomical theory/PagetのSeed and soil説/Fidlerによる転移研究の黎明/転移形成の多段階ステップ/ケモカインによる転移臓器選択性/癌細胞は正常細胞をハイジャックする/癌幹細胞/前転移性微小環境(pre-metastatic niche)
[各 論]
1.欧米と日本とで大腸癌の病理診断は違うか?
  • 病理の立場から/臨床の立場から/生検組織分類(グループ分類)の考え方とヴィエナ分類
2.有茎性大腸SM癌のリンパ節転移・再発
  • 多施設384例の検討/pSM 癌,浸潤実測値の測定に関する新しい提案
3.拡大内視鏡によるinvasive patternの臨床病理学的意義
  • 病理の立場から/臨床の立場から(invasive patternからVI, VNへ)/VI,VNからinvasive patternへ―V型pit patternとinvasive patternの再検証
コラム
  • 1.内視鏡的に完全切除された大腸pSM癌に対する追加治療の指標.簇出はリンパ行性転移高危険群の抽出に有効である
  • 2.IBD cancerの癌化高危険群の絞り込みにメチル化の検索が有効である
4.鋸歯状病変の癌化を考えるうえで過形成性ポリープ(HP)からいわゆるSessile serrated adenoma/polyp(SSA/P) は分ける必要があるか?
  • 鋸歯状病変の概念の変遷/鋸歯状病変の病理/鋸歯状病変の癌化/病理の立場から(HPとSSA/Pを分けるポイント) /臨床の立場から(内視鏡診断からHPとSSA/Pを分けるポイント)
5.大腸の粘膜関連装置由来の濾胞辺縁帯リンパ腫と鑑別を要するリンパ増殖性疾患
  • 大腸のMALT型リンパ腫の肉眼的特徴と鑑別を要するリンパ増殖性疾患/MALT型リンパ腫の病理組織学的特徴/マントル細胞リンパ腫の病理組織像/濾胞性リンパ腫の病理組織像/良性リンパ組織過形成(BLH)の病理組織像
6.大腸癌研究会Desmoplastic reactionに関するプロジェクト研究報告書
7.直腸癌における外科的切除断端の臨床的有用性について
8.アトラス
  • リンパ節構造を有さない孤在性癌胞巣の典型例/SSA/Pと考えられる2症例/NBIとDRに関する典型例/大腸ポリペクトミー後6年で癌遺残が認められたIp型pSM癌の1例/Low grade dysplasiaとして20年以上経過観察された潰瘍性大腸炎癌化例/術前病理診断が困難であった特異な形態を呈した進行大腸癌の1例/早期大腸癌で肝転移した1例/大腸GISTの典型例/大腸非腫瘍性ポリープ
9.IBD cancer/dysplasiaの内視鏡診断 ―典型例から診断困難例まで
  • UC関連腫瘍の内視鏡診断/CD関連腫瘍の内視鏡診断