大腸疾患NOW 2008
- 【【監修】】
武藤 徹一郎
- 【【編集】】
杉原 健一/藤盛 孝博/五十嵐 正広/渡邉 聡明
- 【ISBN】
978-4-88875-204-6
- 【本体価格】
8,400円
- 【刊行年月】
2008年 01月
- 【版組】
B5判
- 【ページ数】
200ページ
- 【在庫】
なし
大腸疾患NOWも2008に5冊目を数えることになった.さしずめ創刊5周年ということになるが,今回はそう呼ぶに相応しい内容であることは,まことに喜ばしいと思っている.
先ず“大腸癌治療ガイドラインの解説”の改訂に向けてのアンケート調査の結果,および“大腸癌取扱い規約”(第7版)改訂のポイントの記載がある.規約に関心の薄い人には読みにくい内容かもしれないが,改訂の主旨がよく説明されているし,アンケート調査では患者およびその家族の理解度が明らかにされ,改訂のための貴重なデータを提供している.Q&Aで規約改訂の問題点を説明しているのも大変分かり易くグッドアイディアである.この項を読めば大腸癌治療ガイドラインと大腸癌取扱い規約の内容がより良く理解できるようになるであろう.
大腸鋸歯状病変についての内容は本誌の中で最も有益なものといってよい.鋸歯状病変は近年注目されてきたが,全体像を理解できるような解説書はなかった.その道の第1人者Dr. Riddell の論文も入っており,鋸歯状病変の優れた解説書となっている.その他,研究会でのもう1つの主題SM癌,MP癌に対する外科治療-適切なリンパ節郭清は?
炎症性腸疾患の内容は少なめではあるがクローン病に対するインフリキシマブの効果の全国アンケート調査結果や,クローン病と発癌などの貴重な報告が掲載されていて,読みでがある.
目 次
- 第一部 大腸癌診断と治療の最新情報
- I.「大腸癌治療ガイドラインの解説」の改訂に向けて:アンケート調査から
- II.解説:大腸癌取扱い規約 第7版
- 1.改訂のポイントの解説
- 2.リンパ節新分類と新Stageによる予後
- 3.切除標本の取り扱い
- 4.新しい生検病理診断基準
- 5.Q & A :大腸癌取扱い規約(第7版)の問題点
- 1)直腸S状部を直腸から独立させた根拠
- 2)リンパ節転移度の分類が群から個数に変更になった
- 3)肝転移のGrade分類の根拠
- 4)内視鏡切除標本の切除断端に関して
- 5)癌遺残よび根治度Bについて
- 6)内視鏡治療切除標本の処理方法
- 7)有茎性ポリープでpSMの場合の浸潤距離の測定方法は?
- 8)腸管外(脂肪織内)のリンパ節構造のない癌巣に関して
- III.大腸鋸歯状病変の特徴と臨床的意義
- 1.classification,criteria,rtionale and implication of the diagnosis of colorectal serrated polyps
- 2.総論:「大腸鋸歯状病変」とは
- 3.各論:「大腸鋸歯状病変」
- 1)病理の立場から
- 3)大腸鋸歯状病変の分子生物学的特徴
- 4)大腸鋸歯状病変の発癌
- 5)大腸鋸歯状病変の疫学:分布や頻度
- 6)大腸鋸歯状病変の診断と治療
- IV.SM癌,MP癌に対する外科治療-適切なリンパ節郭清は?
- V.大腸癌研究会優秀発表賞より
- 1.sm癌とmp癌の郭清度と予後(全国登録集計から)
- 2.大腸鋸歯状病変における臨床病理学的検討と拡大内視鏡診断の有用性
- topics:文献紹介
- "Indication and benefit of pelvic sidewall dissection for rectal cancer.(Sugihara K, et al : Dis Colon Rectum. 2006 Nov;49(11):1663-72)"
小林(望月)論文 紹介 - "Characteristics of recurrence and surveillance tools after curative resection for colorectal cancer: a multicenter study.(Kobayashi H, et al : Surgery. 2007 Jan;141(1):67-75)"
- 第二部 炎症性腸疾患をめぐる最近の話題
- 1.発症早期クローン病に対するインフリキシマブの効果(全国アンケート結果)
- 2.クローン病難治性痔瘻に対する球形吸着炭素製剤の効果
- 3.クローン病腸管狭窄予防におけるトラニラストの有用性
- 4.クローン病と発癌
- 5.クローン病手術後の妊娠・出産(アンケート調査)
- 6.潰瘍性大腸炎におけるペンタサ注腸療法および新用量の効果