ESD施行に際し,当然熟知し実施しなければならない事項を網羅
ESDの周術期管理
- 【【編集】】
斉藤 大三/田尻 久雄
- 【ISBN】
978-4-88875-195-7
- 【本体価格】
7,600円
- 【刊行年月】
2007年 03月
- 【版組】
B5判
- 【ページ数】
240ページ
- 【在庫】
なし
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昨年3月,また諸制限はあるものの,胃病変に対してのみESDは保険収載が認められた.今,「法的には医師なら誰でもESDを行うことができるが,高度な技術の習得とリスク管理は自己責任であり,医療過誤は刑法の対象となる」ということである.いかに注意を払っても,またいかに熟練の術者であっても,内視鏡治療内容が高度かつ多面にわたるようになった現在,医療事故ひいては医療紛争に陥る危険性を認識していなければならない.
そこで,改めて,ESDを施行するに際しての諸注意事項をまとめることとした.本書では“ESD実施の基本,つまりESD施行に際し,当然熟知し実施しなければならない事項”を主に取り上げた.自己防衛的ではない十分なIC,ESD決定のための術前診断学,術前・術中および術後の短期・長期管理,また各時点での偶発症の対処と予防などについて,各領域の第一線方に執筆をお願いし,経験豊富な各施設で実用のクリニカルパスも紹介頂いた.
目 次
- 第1章 インフォームド・コンセント
- ICの一般的な留意点/ESD施行時におけるICの具体的内容/ ESD施行後の療養指導などの留意点
- 第2章 術前評価および術前処置
- 1.術前評価(術前検査による範囲,深達度診断)
- 上部消化管(胃,食道を中心に)/下部消化管(大腸)
- 2.ESDの適応
- 3.抗凝固薬・抗血小板薬について
- 作用機序/内視鏡治療と他の処置との相違/抗血栓療法別の休薬時血栓症のリスク/抗血栓療法対象疾患別血栓症リスクと内視鏡手技別後出血のリスク/周術期の抗凝固薬の取り扱い/周術期の抗血小板薬の取り扱い/周術期の抗血栓療法の再開について/東京慈恵医大病院における上部消化管粘膜切除術例の検討
- 第3章 術中管理とモニタリング
- 1.術中モニタリング・呼吸管理
- 循環器モニタリング/呼吸器モニタリングと管理/ESD穿孔症例における縦隔気腫,気胸による呼吸不全/とくにBISモニターについて/ESDにおけるsedation/BISモニターの特徴/ESDにおけるBISモニターの使用方法/医師および周辺スタッフへの安心度と満足度/BISの評価と今後の課題
- 2.術中麻酔管理の実際
- A.Sedationの種類とその薬理学的効果,副作用,実際の使用方法
- B.プロポフォールを用いたESD
- プロポフォールの使用方法とモニタリング/ESDにおける麻酔管理;プロポフォール群とミダゾラム群の比較検討
- C.全身麻酔下のESD
- S-ERHSEの周術期管理/気管内挿管全身麻酔によるESD/全身麻酔ESDの実際と,判明した利点・欠点/全身麻酔ESDの適応は?
- 3.術中偶発症とその処置
- A.出血対策(食道,胃,大腸を含める)
- B.穿孔の処置 (食道穿孔,胃穿孔,大腸穿孔)
- 4.後出血予防の実際
- 第4章 術後管理
- 覚醒までの管理と術後内視鏡検査/術後の抗生物質と止血剤の投与/食道の術後管理/胃の術後管理/大腸の術後管理
- 第5章 クリニカルパスの実際
- 胃ESD(医療者用)/胃ESD(患者用)/食道ESD(医療者用)/食道ESD(患者用)/大腸ESD(医療者用)/大腸ESD(患者用)*12施設