理面での注意点も含めた、現時点での切開・剥離法によるEMRマニュアル


消化管内視鏡的粘膜切除術 切開・剥離法導入マニュアル

  • 【【企画】】 消化管内視鏡治療研究会
  • 【【編集】】 斉藤 大三(世話人代表)
  • 【ISBN】 4-88875-153-6
  • 【本体価格】 6,800円
  • 【刊行年月】 2003年 10月
  • 【版組】 B5判
  • 【ページ数】 132ページ
  • 【在庫】 なし

本書は切開・剥離法におけるEMRについてその意義、適応、実際の手技、長所・短所、倫理、展望などあらゆる角度からみたのものであるが、成書というより“倫理面での注意点も含めた、現時点での切開・剥離法によるEMRマニュアル”と理解していただき、これから切開・剥離法によるEMRを始めようとする医師はもとより、熟練者にとっても日常の臨床の実務において本書をお役立て頂ければ幸甚である。
目 次
第I部切開・剥離法
1 切開・剥離法の意義(一括切除の意義)とその適応 / 後藤田卓志,住吉徹哉,近藤 仁
  • I.「リンパ節転移の可能性がきわめて低い病変」とは
  • II.「胃癌治療ガイドライン」とEMRの適応
  • III.「一括切除」は必須か
  • IV.国立がんセンターにおける切開・剥離術
  • V.今後に向けて
2 切開・剥離法のための解剖学 / 木南伸一,藤村 隆,三輪晃一
  • I.食道の壁構造
  • II.胃の壁構造
  • III.大腸の壁構造
3 高周波装置の設定 / 土井俊彦,遠藤久元
  • I.電気切開(電気メス)の基本原理
  • II.切開・剥離法に用いるデバイスの電気学的特性
4 局注剤について / 藤城光弘,矢作直久,小俣政男
  • I.組織傷害性
  • II.隆起形成・保持能
  • III.ヒアルロン酸製剤に対するわれわれの工夫
  • IV.まとめ
5 切開・剥離法実施時の体制 / 西崎 朗
  • I.処置の場所について
  • II.切開・剥離に用いる各種デバイス・薬品や高周波発生装置について-とくに切開・剥離法における治療用途の要点
  • III.構成員について
  • IV.役割分担について
  • V.切開・剥離法の治療の流れについて
  • VI.セデーションついて
6 切開・剥離法実施時のICとクリニカルパス / 後藤田卓志,近藤 仁
  • I.インフォームド・コンセント
  • II.クリニカルパス
第II部処置具とその使い方
1 ITナイフ / 小野裕之,細川浩一
  • I.準備および前処置
  • II.マーキング
  • III.局注
  • IV.プレカットおよび粘膜全周切開
  • V.粘膜下層の切開・剥離
  • VI.止 血
  • VII.術後の患者管理
2 フックナイフ / 小山恒男
  • I.前処置
  • II.マーキング
  • III.局注
  • IV.粘膜切開
  • V.粘膜下層剥離
  • VI.止血
  • VII.出血予防と切開前血管凝固法
3 細径スネアとフレックスナイフ / 矢作直久,藤城光弘,小俣政男
  • I.前処置
  • II.マーキング
  • III.局注
  • IV.粘膜切開
  • V.粘膜下剥離
  • VI.止血処置
  • VII.病変の切除と切除創の処置
4 針状ナイフ / 山本博徳
  • I.前処置
  • II.マーキング
  • III.局注
  • IV.粘膜切開
  • V.粘膜剥離
  • VI.止血
5 透明フード / 花塚和伸
  • I.フードの有用性
  • II.切開・剥離法におけるフードの有用性
  • III.透明フードの欠点
  • IV.尖端細径透明フード
第III部処置具の長所と短所-その解決法
1 ITナイフ / 小田一郎,後藤田卓志,濱中久尚,斉藤大三
  • I.他の処置具との違い
  • II.粘膜切開
  • III.粘膜下層剥離
2 Hookナイフ / 友利彰寿,小山恒男
  • I.長 所
  • II.短 所
3 細径スネアとフレックスナイフ / 藤城光弘,矢作直久,小俣政男
  • I.細径スネアと他の切開処置具との違い
  • II.細径スネアの長所と短所
  • III.フレックスナイフの開発と細径スネアとの相違点
4 針状ナイフ / 濱中久尚,後藤田卓志
  • I.マーキング
  • II.全周切開
  • III.粘膜下層剥離
5 各処置具の選択
  • (1)各デバイスの特性から / 土井俊彦,遠藤久之
    • I.電気特性からみたデバイスの特性と切開・剥離法
    • II.切開方向からみた特性
  • (2)術者の熟練度から / 宿輪三郎,林 剛,中村 貴
    • I.ナイフの選択
    • II.適応病変(大きさ,潰瘍瘢痕,部位)の選択
第IV部切開・剥離法のQ&A
>Q1 切除困難な部位あるいは場合の切除方法は?
  • Answer 1.ITナイフによるEMR … 山本博徳
  • Answer 2.Hookナイフによる切除困難例の克服 … 小山恒男
  • Answer 3.フレックスナイフによる切除 … 矢作 直久
  • Answer 4.針状ナイフ,ヒアルロン酸を用いた切開・剥離法 … 山本博徳
Q2 粘膜下層の剥離:どの方向からどこまで? / 粉川 敦
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Q3 潰瘍(瘢痕)病変に対する切除のコツは? / 尾田 恭,後藤英世,蓮田 究,田中朋史,服部正裕
Q4 出血対策は? / 深尾俊一,本庄孝行,山崎雅彦
Q5 穿孔予防と穿孔した場合の処置は? / 久永康宏,曽根康博,熊田 卓
第V部切開・剥離法の将来
1 切開・剥離法におけるEMRの倫理的側面 / 土井俊彦
  • I.早期胃癌に対するEMRとガイドラインの意義
  • II.切開・剥離法とガイドライン
  • III.切開・剥離法における実地医療と研究的側面の実際の運用
2 今後の展開 / 吉田茂昭
  • I.内視鏡的粘膜切除術における「切開・剥離法」の位置づけ
  • II.切開・剥離法の可能性と限界
  • III.治療学としての課題
コラム
処置具の開発秘話
  • (1). ITナイフ / 細川浩一
  • (2). Hookナイフ / 小山恒男
  • (3). フレックスナイフ / 矢作直久
  • (4). ヒアルロン酸ナトリウム / 山本博徳
第5回消化管内視鏡治療研究会報告 / 角嶋直美、井口幹崇、藤城光弘、矢作直久