大腸癌診断・治療の集大成

大腸癌

診断と治療

【編集】小黒八七郎，吉田茂昭
【ISBN】 4-88875-087-4
【本体価格】 28,000円
【刊行年月】 1996年 03月
【版組】 B5
【ページ数】 388ページ
【在庫】なし

内科、外科を問わず、大腸癌の臨床に携わる人のため、実際的なハンドブックとなるよう、国立がんセンターの現スタッフ、OBを中心として、大腸癌の診断と治療について、最近の知見を加え、現在の大腸癌臨床のすべてをわかりやすくまとめた。
本書では、各種大腸検査をこれから始められる臨床医の手ほどきを含め、疫学、便免疫潜血反応、外科手術、内視鏡治療、放射線療法、病理、遺伝子解析や最新のトピックスに至るまで解説し、初心者はもとより、専門家にも資するよう臨床的立場を重視して編集されている。
また、最近のトピックスとしては「家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス大腸癌」、「大腸癌の化学予防」を収載した。

第一部診断

第I章大腸癌の疫学深尾彰，猪苗代裕

第II章スクリーニング

１．大腸がん検診北條慶一
２．内視鏡による大腸スクリーニング－理想の大腸癌検診を目指して光島徹

第III章分類と病理

１．肉眼的分類と組織学的分類板橋正幸
２．良悪性境界領域病変の病理組織診断－高度異型腺腫と分化型腺癌廣田映五

第IV章診断法

１．大腸検査法の進歩小黒八七郎
２．注腸Ｘ線検査石川勉
３．内視鏡検査
- a.前処置と挿入法藤井隆広
- b.鑑別診断および深達度診断横田敏弘
４．経大腸超音波検査赤須孝之
５．直腸癌のＭＲＩ診断村松幸男
６．術前stage診断縄野繁，森山紀之

第V章早期大腸癌

１．定義と分類福富久之
２．大腸ポリープと隆起型早期大腸癌五十嵐正広
３．表面型早期癌
- a.存在診断木庭郁朗
- b.深達度診断横田敏弘
４．大腸側方発育型腫瘍尾田恭
５．拡大内視鏡による早期診断藤井隆広
６．早期大腸癌の病理学的特徴下田忠和，栗巣義賢

第VI章大腸癌の発育進展

１．大腸癌の微小前癌病変落合淳志
２．Adenoma-carcinoma sequenceへの疑問－大腸癌の初期病変におけるmissing link 吉田茂昭
３．Ｘ線像による遡及的経過例からみた大腸癌への発育・進展牛尾恭輔，石川勉，宮川国久，飯沼元
４．陥凹型腫瘍からみた大腸癌の発育進展工藤進英，田村智，中嶋孝司，山野泰穂

第VII章遺伝子解析

１．遺伝子解析の現況と展望斉藤大三，吉田茂昭
２．Aberrant crypt fociの遺伝子変化とその進展江角浩安，大鳥和彦，山下直行，杉山賢司
３．平坦陥凹型大腸腫瘍の遺伝子背景朴成和
４．大腸癌の転移と遺伝子変化石丸悟正，横田淳

第二部治療

第I章外科手術

１．標準的手術小山靖夫
２．直腸癌に対する拡大手術－適応と限界，治療成績とその評価鈴木康司，森谷宜晧
３．大腸（直腸）癌に対する機能温存手術北條慶一
４．縮小手術としての腹腔鏡下手術渡邊昌彦，大上正裕，寺本龍生，北島政樹
５．肝転移・再発癌に対する外科治療杉原健一，赤須孝之，森谷宜晧，藤田伸

第II章内視鏡治療

１．適応と限界吉田茂昭，福田治彦
２．大腸ポリペクトミーの手技と成績澤田俊夫，木村浩，新木正隆，尾野雅哉，洲之内広紀，武藤徹一郎
３．内視鏡的粘膜切除術木庭郁朗

第III章化学療法

１．手術補助化学療法小平進
２．標準的化学療法大津敦
３．New drugs 島田安博
４．動注化学療法荒井保明

第IV章放射線療法

１．適応と限界池田恢，加賀美芳和，徳植公一，角美奈子，山本富裕美
２．進行直腸癌における術前照射療法斎藤典男，更科廣實
３．直腸癌における術中照射小野正人

付録最近のトピックス

第I章家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス大腸癌近藤仁

第II章大腸癌の化学予防横山正，赤須孝之