Barrett食道表在癌

まさに,これからBarrett食道癌の時代を迎えようとしている.Barrett食道癌の疫学,病理,内視鏡診断から治療までを網羅し,知識を整理する事は内視鏡医にとって大変重要と思われる.そこで本書を企画した.
Barrett食道癌は必ず日本でも増える.そして,日本のデーターをまとめ,ランダム生検ではなく,内視鏡所見から診断できることを証明したい.本書が日本の若手の糧となり,世界へ羽ばたくきっかけとなれば望外の喜びである.
第1章 Barrett食道およびBarrett食道癌の疫学
  • Barrett食道の疫学/Barrett食道癌の疫学
第2章 本邦におけるBarrett食道癌の現状
  • 発生頻度/リンパ節転移/Barrett食道表在癌の治療成績
第3章 Barrett食道癌の発生機序と危険因子
  • 臨床的危険因子/分子生物学的危険因子
第4章 Barrett食道癌の病理
  • 食道胃接合部(EGJ)の定義/Barrett食道癌の定義─欧米との比較/肉眼型/深達度評価/組織型/Barrett食道癌に接する粘膜について/異型上皮と腺癌の鑑別/リンパ節転移危険因子
第5章 Barrett食道,Barrett食道癌の内視鏡分類
a)内視鏡分類
  • 内視鏡的な食道胃接合部の定義/Barrett食道の分類/EGJ付近に発生する癌の分類/病型分類
b)拡大内視鏡分類
  • 色素法/酢酸/NBI
第6章 Barrett食道癌の存在診断
  • Seattleプロトコール/サーベイランス/高画質,IEE用いたBarrett食道癌の存在診断/Barrett食道癌の存在診断
第7章 Barrett食道癌の範囲診断
  • 通常内視鏡による範囲診断/NBI内視鏡による範囲診断/NBI拡大内視鏡による範囲診断/同時多発癌に注意
第8章 Barrett食道癌の扁平上皮下進展の診断
  • 扁平上皮下進展の頻度/通常内視鏡所見/NBI所見/酢酸散布所見/症例提示
第9章 Barrett食道癌の深達度診断
a)内視鏡の立場から
  • 総論/肉眼型別の深達度診断
b)EUSの立場から
  • 欧米の現状/本邦の現状/当院における現状
第10章 鑑別診断
  • 炎症性ポリープ/胃底腺ポリープ/乳頭腫/噴門部癌/逆流性食道炎/食道噴門腺/腸上皮化生
第11章 Barrett食道癌の内視鏡治療
a)ESDの立場から
  • 本邦と欧米におけるBarrett食道癌の占拠部位/0内視鏡治療の適応/Barrett食道癌に対する内視鏡治療の方法/欧米のBarrett腺癌の治療/日本におけるBarrett食道癌の治療/実際のBarrett腺癌の治療
b)RFAの立場から
  • 治療法/Barrett長とdysplasia・腺癌の発生/本邦と欧米のdysplasia・表在癌に対する内視鏡治療のストラテジー/RFAの原理と手技/RFAの臨床応用と手技の設定/RFAの治療成績/RFA術後の諸問題(合併症・QOL)
第12章 症例集(11症例)
  • LSBEに発生した0-IIb/LSBEに発生した0-IIc/LSBEに発生した0-IIb+III/SSBEに発生した同時多発性の隆起型Barrett食道癌/SSBEに発生した0-IIa/SSBEに発生した0-IIa+IIc/SSBEに発生した0-IIc/SSBEに発生した0-IIc+IIb/ESD後のサーベイランスで発見したBarrett食道腺癌