CKD-MBDはCKDで最も重要な合併症と考えられている
CKD-MBDハンドブック
Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder
- 【編著】
深川 雅史
- 【ISBN】
978-4-88875-220-6
- 【本体価格】
7,200円
- 【刊行年月】
2009年 06月
- 【版組】
B5判 上製
- 【ページ数】
220ページ
- 【在庫】
なし
腎臓は,ミネラルのバランスと骨代謝の維持に大きな役割を果たしている臓器である.腎臓の機能が低下する「慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)」では,それらの異常は必発であり,最も重要な合併症と考えられている.
最近の変化で最大のものは,「透析骨症」「腎性骨症」ないしは「腎性骨異栄養症」から,本書のタイトルにもなっている「慢性腎臓病にともなう骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)」への用語の変更である.用語の変更は,概念が新しくなったことをはっきり示すために行われたもので,「骨の病気」ではなく「全身の病気」としてとらえられるようになった.
次は,CKDのムーブメントから続く,生命予後の重視である.したがって,新しい治療法に対して,これまでのように,リン,カルシウムや骨に関する検査の所見が改善するだけでなく,その結果として,心血管病変,骨折,そして生命予後を改善することが求められるようになった.
最後に,欧米に比べて導入が遅れていた新薬の多くが,最近我が国でも次々と使用可能になったことも大きな進歩である.
主な内容
- 序論 CKD-MBDとはどういう病態か
- 骨の病気としての腎性骨異栄養症(ROD)/全身疾患としてのCKD-MBD(chronic kidney disease-mineral and bone disorder)/CKD-MBD診療の未来
- 第1章 ミネラル代謝の病態生理学
- 1.カルシウムバランスとその調節機構
- 2.リンバランスとその調節機構
- 3.副甲状腺機能とその調節機構
- 4.骨代謝とその調節機構
- 5.血管石灰化とその調節機構
- 第2章 CKD-MBDの診断と評価
- 1.CKDによってミネラル代謝はどう変化するか?
- 2.ルーチン検査をどう活用するか
- 3.副甲状腺の評価
- 4.骨の評価
- 5.心血管病変の評価
- 第3章 CKD-MBDの予防と治療
- 1.統計と観察研究から見る日本のCKD-MBD
- 2.世界から見た日本のCKD-MBD診療
- 3.保存期からのCKD-MBDの予防と管理
- 4.ガイドラインの根拠と運用
- 5.リン・カルシウムのコントロール
- 6.PTHの内科的コントロール
- 7.副甲状腺インターベンション
- 副甲状腺過形成の進展と退縮機構/副甲状腺摘出術/PEIT
- 8.CKD-MBD診療の医療経済学
- 9.CKD-MBDの栄養
- 第4章 CKD-MBDの特殊な病態
- 1.移植後の骨ミネラル代謝異常
- 2.無形成骨症(ABD)
- 3.CAPD患者における骨ミネラル代謝
- 4.小児の成長と骨ミネラル代謝
- 5.透析アミロイドーシスとアミロイドーシス関連骨症
- 6.糖尿病と骨病変
- 7.閉経と骨病変
- 第5章 CKD-MBD病態解明のトピックス
- 1.CKD-MBDと骨折
- 2.CKD-MBDと生命予後
- 3.FGF23-Klotho系とその役割
- 4.ビタミンDの新しい標的臓器
- 5.骨質は何で決まるか