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透析か移植か
生体腎移植の精神医学的問題
【著】
春木 繁一
【ISBN】
4-88875-099-8
【本体価格】
2,600円
【刊行年月】
1997年 07月
【版組】
A5
【ページ数】
247ページ
【在庫】
なし
目 次
第I部 リエゾン精神医学的立場から
第I章 腎臓病と精神医学
はじめに
I.Psychonephrologyとは
II.日本の腎移植医療における問題
1.日本の腎移植の実態
2.日本の腎移植の特徴
3.生体腎移植による精神・心理的な問題
第II章 精神的側面からみた長期透析と腎移植
I.アメリカで移植を受けてきたレシピエント
II.日本で生体腎移植を受けたレシピエント
III.日本で死体腎移植を受けたレシピエント
IV.死体腎移植を登録している透析患者
1.死体腎に当たるのは宝くじに当たるより難しい
2.インポテンツとからんだ腎移植
V.腎移植を希望しない透析中の患者
1.移植は完璧な再生か
2.死体腎移植を待つ患者にとって腎移植は現実的な治療法か
3.でも,やはりどこかで希望を
VI.夫婦間移植を行ったレシピエント
1.最近は長期透析後の希望者のみではなくなった
2.配偶者からのねぎらい,プレゼントとしての移植
VII.死体腎移植を登録していたが,死体腎移植をいざとなって断った患者
1.死体腎を待ち続けるのは3年ぐらいが限界
2.欧米での死体腎を待つ期間
3.移植を断っても未練は残る
第II部 レシピエントの心理
第I章 Overview レシピエントの心理
I.手術前不安を強く示す症例
1.抑うつ的な症例
2.不安,焦燥を強く示す症例
3.透析導入を拒否する症例
4.著しい依存,退行を示す症例
5.緘黙状態を続ける症例
6.入院後不眠を訴える症例
II.何とか「不安」を防衛できた症例
III.ほぼ安定している症例
第II章 透析拒否の心理 -透析に対する否定的感情
I.透析をしたくない気持ち
II.移植を前にした透析からの解放の期待
III.「透析拒否の心理」は移植希望者のみの気持ちではない
IV.生体腎移植希望者にはより強い「透析拒否の心理」がある
第III章 移植への強い期待感「否認の心理」
I.不安を押し隠そうとする心理
II.「否認」とは
III.移植手術成立の鍵である「否認の心理」
IV.「否認の心理」のもたらす災い
第IV章 レシピエントの「抑うつ」
I.「抑うつ」を生む背景
II.「抑うつ」を示す心理,症状
III.透析患者の「抑うつ」とは
IV.移植が決まると遠のく「抑うつ」
V.消えはしない「抑うつ」
VI.まれにみられる「軽そう状態」
VII.死体腎移植の登録だけでも抑うつから解放されることもある
VIII.生体腎移植の提供者が現れただけでも抑うつから解放される
X.移植が決まっても抑うつから解放されないこともある
第V章 レシピエントの「不安」
I.ドナー・セレクションに伴う不安
1.腎臓が「もらえるか」,「もらえないか」のジレンマ
2.ドナーの「心変わり」を恐れる不安
3.ドナーの事故や病気で移植が中止になる不安
II.本当に移植してもらえるかという不安
1.ドナーの術前検査結果への不安
2.ドナーの腎摘出後の健康への不安
III.移植手術そのものに対する「不安」
1.すべての手術につきまとう術前不安
2.移植というまれな体験を前にしての不安
3.レシピエントによって異なる手術前不安
4.移植前不安の違いは家族関係の違い
第VI章 生体腎移植のレシピエント・ドナーのグループ化
I.3つのグループの存在
1) Aグループ
2) Bグループ
3) Cグループ
II.Aグループ
1.Aグループの家族たち
1) ノン・ドナーの家族もレシピエントとドナーを応援している
2) 移植前の不安を皆で分かちあう
2.Aグループの症例
III.Bグループ
1.Bグループのレシピエントと家族たち
1) 攻撃的,脅迫的に迫るレシピエント
2) 消極的,受け身的なドナー
3) 移植への期待感のないドナー
4) ノン・ドナーの無関心,逃避,不介入
5) 家族の誰からも支持されないレシピエント
6) レシピエントの移植前の不安定さ
2.レシピエントの精神症状・心理について
1) 強い「透析拒否の心理」
2) なし崩しの移植決定
3) 移植を目前にイラ立つレシピエント
3.精神科コンサルテーションへ抵抗
1) 不本意な精神科受診
2) 問題ある例ほど精神科受診に抵抗
3) 医療不信を取り除く
4) 攻撃的心理の裏にあるもの
4.透析拒否の心理の後ろに隠れているもの
1) 「みんなと同じ」になりたい
2) 「透析=死」の不安
3) 時間をかけてコンサルテーションを行うことで彼の不安をできるだけ汲みとる
5.Bグループに属する症例
IV.Cグループ
1.Cグループのレシピエントとドナーおよび家族たち
1) Cグループの特徴としてのドナーの手術前不安
2) Cグループのドナーの特徴
3) ドナーの心中にある腎提供後の不安
2.ドナーの移植に対する意気込み
1) ドナーの「不成功の可能性に対する強い否認の心理」
2) 現実的で安定しているレシピエント
3.Cグループのノン・ドナーたち
4.Cグループに属する症例
1) Cグループの母親の特性
2) ノン・ドナーの支持の弱さ
3) Cグループのドナーにはには同胞(兄弟姉妹)が多い
4) ドナーが同胞になったいきさつとその影響
5) Cグループは術前・術後ともに精神科のコンサルテーションが必要になる
第III部 生体腎移植の精神医学的問題
第I章 レシピエントの精神医学的問題
I.レシピエントの不安
1.誰が腎臓を提供してくれるのか
2.手術前の不安
3.手術後・移植後の不安
II.レシピエントの移植後の抑うつ
1.移植後のドナー・家族・移植スタッフとの軋轢をめぐる抑うつ
2.身体的には順調なのに抑うつになるケース
III.不安に基づくレシピエントの症状・行動
1.抑圧・否認・否定による不安の防衛
2.二次防衛によるもの
IV.抑うつに基づくレシピエントの症状・行動
1.透析拒否の感情によるもの
2.自殺念慮
V.レシピエントのその他の精神医学的問題
1.せん妄状態
2.軽いそう状態
3.社会復帰をしていく際に問題となるもの
4.コンプライアンスの問題
VI.精神医学的に見た理想のレシピエントとは
1.レシピエントとして望ましい条件
2.移植を希望するレシピエントのほとんどがこの条件を満たすとは限らない
VII.移植前にチェツクしておきたいこと-透析施設からの情報
1.自負心・否認の強さ・周囲の支持
2.透析時代のコンプライアンス
3.インフォームド・コンセント
4.小児といえどもインフォームド・コンセントは必要
5.経済的状態や生活のこと
6.コンプライアンス
7.人格の成熟度
第II章 ドナーの精神医学的問題
I.誰がドナーになるか
1.ドナー選びで生ずる問題
2.健康な身体にメスを入れられる異常なできごと
II.腎臓以外のものも移植(拒絶)される
1.提供される腎臓に込められたドナーの気持ち
2.ドナーのかかえる精神医学的問題
III.ドナー選択にまつわる家庭内緊張
1.誰が腎臓を提供するか
2.ドナー選びの“踏み絵”としてのタイピング検査
3.タイピング検査が不要になった時代の問題
IV.腎提供の自発性の問題
1.移植医もしっかりと認識すべきドナーの腎提供の意志
2.ドナーの自発性をどう評価するか
V.ドナー決定をめぐる家族精神医学的問顕
1.移植によって顕在化する家族内の未解決問題
2.家族内の問題,すなわち国民的問題
VI.ドナーの腎提供の自発性を知ることの難しさ
1.意識的にカムフラージュされるドナーの自発性
2.ノン・ドナーも含め家族的にカムフラージュされる場合もある
VII.ドナーの精神医学的問題をみる
1.ドナーの移植前不安
2.ドナーも3つのグループに分かれる
1) Aグループ
2) Bグループ
3) Cグループ
3,偏賢への不安
4.ドナーの贖罪感・自責感
5.ドナーの被害感・犠牲感・敵意・攻撃的感情
6.報酬要求・補償要求の心理
7.興奮・産み直し幻想(birth phantasy)
8.ドナーのアンビパレンシ-について-”あげたい気持ちとあげたくない気持ち”
1) 親にもあるアンビバンレシー
2) とくに目立つ同胞・夫婦肝移植でのアンビバレンシー
9.移植後に現われるドナー(主として母,父)の本音(移植前との違い)
1) 移植前のドナーの気持ち
2) たてまえが移植後のドナーを縛る
3) ドナーの本音
第III章 同胞・夫婦間移植の精神医学的問題
I.同胞(兄弟姉妹)がドナーになった場合の精神医学的問題
1.Aグループの典型例
2.Cグループの典型例
II.夫婦間腎移植のドナーの腎提供の自発性
1.移植希望夫婦のグループ分け
1) Aグループ
2) Bグルーブ
3) Cグルーブ
4) Dグルーブ
2.症例 が示す内容
1) Aグルーブの症例
2) Bグルーブの症例
3) Cグループの症例
4) Dグループの症例
3.夫婦間移植ではとくにドナーの自発性が問題
第IV部 レシピエントの移植後の精神医学的問題
拒絶反応をめぐる点がポイント
第I章 レシピエントの移植後の不安
I.拒絶反応への不安
1.拒絶への不安は移植後に生じる当然の反応性の不安である
2.拒絶反応がいつ起きるか
3.ダモクレス症候群
II.合併症の不安
1.移植後に生じるおもな合併症
2.感染症
3.患者間の合併症情報がより不安を増す
4.社会復帰しているレシピエントやその家族が面接で語る合併症の不安
5.ふだんは訴えられない不安-合併症についての不安
6.身体医学的には理由もないのにやたらと合併症を怖れるレシピェント
III.薬の副作用についての不安
1.免疫抑制剤を一生服用することについて-医師と患者との受け止め方の違い
1) 医師は科学者
2) 患者の気持ち
3) 患者のアンビバレントな気持ち
4) 脅かし治療のマイナス点
2.社会復帰を果したレシピエントたちが口にすること-薬の不安
1) 移植医に聞きづらい薬についての不安
2) 移植医のジレンマ
3) 答えにくいが,きちんと答えないと不安が増す
3.ステロイドをめぐる不安
1) 移植後しばらくしてから生ずる不安
2) 移植がうまくいったからこそ生じる不安
3) 思春期・青年期の心理とステロイド
4) 実際に副作用が出てきたとき
5) 医師の薬の減量指示に対する戸惑い
4.医師の「さじ加減」とレシピエントの「さじ加減」
1) 投薬にも大切なインフォームドコンセント
2) 投薬量への医師のジレンマ
第II章 移植後のレシピエントの抑うつ
I.移植後抑うつの種類
II.移植成功後の逆説的抑うつ
第III章 レシピエントの移植後のその他の精神医学的問題
I.注意・集中力の低下ないし障害
II.軽い意識障害~せん妄
III.軽い「そう状態」
IV.不登校・不適応状態
V.同一性障害
1.同一性障害とは
2.レシピエントにとって「おしっこが出る」という意味
3.変化を受け入れられない場合
VI.性的同一性障害
VII.身体像障害
第V部 腎移植が成功して社会復帰したレシピエントの精神医学的側面
第I章 腎移植患者の社会復帰
I.社会復帰についての不安
II.レシビエントの社会復帰を決めていく条件
III.移植医が成功と判断したケースとの面接から
1.成人のレシピエントの声
2.社会復帰を果たした患者の安定を保つために揺れる内心の動き
第II章 小児-思春期レシピエントの社会復帰
I.小児-思春期のレシピエントの問題点
1.レシピエントの術後の体調・体カ
2.移植後の復帰の早さ,通院の頻度,入院回数
3.移植後の学校への復帰状況
4.集中力や学習能力の低下
5.学校での「処遇・待遇」ないし「接し方」
6.家庭内の人間関係の改善もしくは変化
7.一部の「いじめ」について
8.今の体制-フオツローアップ体制で良いか
II.実態からみた対策
1.レシビエント・親の不安・心理的依存傾向
2.移植後の相談相手の必要性
1) 「気兼ねなしで聞ける人」の必要性
2) 移植医療に必要な,生活・心理面のフォローアップ
3.移植後の親子の関係をしっかりと
第III章 成人レシピエントの社会復帰
I.成人レシピエントの移植後の問題点
1.成人レシピエントの術後の体調・体力
2.通院の頻度,入院回数,それらの予測性(不意の外来・入院がどのくらいか)
3.本人の精神的状態・意欲・意志・取り組む姿勢・やりがい感
4.仕事を遂行する能力
5.家庭内・職場内の人間関係の改善もしくは変化
6.経済的保障・地位の保障・昇進など
II.成人レシピエントの実態からみた移植後の対策
1.移植後の健康管理
2.障害者手帳
3.障害年金
4.職場での移植患者のイメージ
5.移植医療の啓蒙の必要性
6.今のフォローアップ体制で良いか
1) 移植医への依存
2) 移植後の簡単なフォローアップを近くで
7.移植後のマニュアルの必要性
8.個別相談の希望
9.術後の身体・生活・心理面のフォローアップの必要性
第VI部 再透析・再移植の精神医学的側面
第I章 再透析の精神医学的側面
I.再透析を前にしたレシピエントの心理
1.抑うつ
1) 「透析拒否の心理」が強い場合
2) 生着期間が短かったケース
3) 生着期間が長かったケース
2.怒り
3.負債感
4.今後の不安
5.深刻な合併症に伴う気持ち
II.再透析患者への説明と援助
1.移植前のインフォームド・コンセントが一番重要
2.負い目をもっている再透析患者にどう接するか
1) 「抑うつ」状態にある再透析患者に対して
2) ドナーおよび家族に対して
3) 「抑うつ」が深刻な場合
4) 「見捨てられ抑うつ」に対して
5) 再透析患者を深く抱え込まないことも必要
第II章 再透析患者の再移植に対する感情
I.再移植を望む人,望まない人
II.「再移植を望む人,望まない人」という分け方
III.positive group-再移植を望んでいるといってよいグループ
1.長期生着で「いいめ」にあったケース
2.「透析拒否の心理」の強さ
3.再移植を強く望む人の心理
IV.negative group-再移植を積極的には望まないグループ
1.移植でかえって苦しい思いをしたケース
2.negativeグループの特徴
3.再移植を望まない人の心理
V.再透析患者から学ぶべきこと
1.移植への大きな期待・透析拒否の心理の強さ
2.腎移植チームと透析チームの連携の良さが患者の不安・不信を軽くする
3.スタッフは患者の喪失体験につきあう姿勢を