臨牀透析 Vol.13 No.3(7-1)


特集名 腎不全看護の専門性
題名 腎不全看護領域の専門性 (1) 血液透析
発刊年月 1997年 03月
著者 大橋 信子 東京女子医科大学腎臓病総合医療センター・看護婦
【 要旨 】 医療の高度化,多様度が進んでくるとその分野における専門性が重要視されるようになってくる.1987年厚生省「看護制度検討委員会」は専門分野で卓越した能力をもつ専門看護婦(士)の育成の必要性を指摘した.これを受けて日本看護協会はその目的,役割,教育,認定などについて検討し1996年,日本看護協会の専門看護師認定制度による専門看護師が誕生したが血液透析領域にも専門看護婦(士)が必要と考える.慢性腎不全患者は致命的な臓器不全のために透析療法を必要とする.この血液透析療法は体外循環で行われることから操作ミス一つが患者の生命に直接影響を及ぼす.したがって,透析の専門知識のみならずME機器についての知識と高度の技術が必須な治療法である.また,生涯にわたる反復治療法であること,疾患の問題に加え透析器と共存関係にあることから一般の医療以上に専門性が要求される.したがって,専門看護婦が誕生することは透析療法分野での看護の質の向上につながるものと考える.また,社会の変化とともに医療行政,福祉,看護に対する期待も変化し,1988年,臨床工学技士,社会福祉士,介護福祉士など新しい職種が誕生している.そこで従来は看護婦が行っ ていた業務は新しい職種が誕生することによりそれらの領域から手を引かざるをえない.漠然と仕事をしていると看護婦は何する人となりかねない.とくに透析治療はチーム医療であるためそのなかで看護婦でしかできない専門知識,技術を蓄積させ関連する他職種との協働で優れたケアを生み出し提供する必要がある.それには断片的な知識,技術だけでは不十分と思われる.したがって,この治療法に携わる看護婦は従来の看護に加え透析療法独自の知識,技術,患者指導能力,教育的関わりが必要と思われる.
Theme Specialty of Nephrology Nursing
Title Specialty of nursing in real failure Hemodialysis
Author Nobuko Ohashi Department of Nursing, Tokyo Women's Medical College
[ Summary ] No Summary
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