臨牀消化器内科 Vol.36 No.3(2-3)


特集名 感染症と消化器―診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
題名 消化器領域で重要な微生物感染症の特徴 (3) 腸球菌感染症
発刊年月 2021年 03月
著者 三村 一行 埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科
【 要旨 】 腸球菌は,糞便の細菌叢の一部を構成しているグラム陽性連鎖球菌である.本菌が健常人に感染症を生じさせることはまれであり,多くは免疫不全者,消化管や泌尿生殖器などに生体機能障害が存在している患者,医療器具が留置されている患者などに,尿路感染症や胆道感染症,腹腔内感染症,創部感染症そしてまれに菌血症/敗血症,感染性心内膜炎,髄膜炎などを引き起こす.臨床上は,おもにペニシリン系薬で治療するEnterococcus faecalisと,バンコマイシンで治療するEnterococcus faeciumが重要である.腸球菌は病原性が強くないため,本菌が胆汁や腹水培養から検出された場合でも,起因菌であるかどうかは,患者背景や重症度,ソース・コントロールなどを考慮したうえで検討することが重要である.
Theme Progress in Advanced Endoscopic Treatments for Upper Gastrointestinal Tumors
Title Enterococcal Infections
Author Kazuyuki Mimura Department of General Internal Medicine, Saitama Medical Center, Saitama Medical University
[ Summary ] No Summary
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