特集名 |
薬物療法がひらく新しい肝細胞癌の治療strategy |
題名 |
肝細胞癌に対する薬物療法 (6) 肝予備能評価の重要性―ALBIグレードを中心に |
発刊年月 |
2020年 08月 |
著者 |
平岡 淳 |
愛媛県立中央病院消化器病センター内科/Real‒life Practice Experts for HCC (RELPEC) Study Group (RELPEC) |
著者 |
熊田 卓 |
岐阜協立大学看護学科/Real‒life Practice Experts for HCC (RELPEC) Study Group (RELPEC) |
【 要旨 】 |
肝予備能評価法としてChild‒Pugh分類が長年にわたり使用されてきた.しかしChild‒Pugh分類は半定量スコアによる評価で,アルブミンや腹水といった交絡する因子を含み,腹水や脳症といった主観的項目が含まれ,かつ統計学的に成立したものではないなどのさまざまな欠点がある.一方で近年の肝炎ウイルス治療の進歩によって肝予備能の保たれた症例が増加したこともあり,詳細な肝予備能評価が求められるようになった.近年,統計学的に成立したアルブミンとビリルビンのみで算出されるALBIグレードが提唱された.肝癌診療,とくに薬物療法における肝予備能評価の重要性を論じる. |