臨牀消化器内科 Vol.35 No.13(3-5)


特集名 肝硬変診療の新時代
題名 肝硬変合併症の診断と治療 (5) 肝硬変におけるこむら返り(筋痙攣)の実態と治療
発刊年月 2020年 12月
著者 岩佐 元雄 三重大学医学部消化器内科学
【 要旨 】 肝硬変患者ではQOLの障害が高頻度に認められるが,その要因は肝性脳症とこむら返り(筋痙攣)である.とくに筋痙攣は不眠との関連性が強い.最近の本邦における調査では,慢性肝疾患の約半数に筋痙攣の経験があるが,とくに肝硬変で高頻度かつ痛みが強く,睡眠障害の原因となっている実態が明らかになった.治療として,芍薬甘草湯,タウリン,カルニチン,分岐鎖アミノ酸(BCAA;branched chain amino acid)が用いられていたが,カルニチンの効果が高い傾向にあった.一方で,治療介入なしで長期間放置されている例も多く,肝疾患の治療に当たっては筋痙攣の有無を問診することが大切である.
Theme Diagnosis and Treatment of Cirrhosis: The Beginning of a New Era
Title Current Status and Treatment of Muscle Cramps in Patients with Liver Cirrhosis
Author Motoh Iwasa Department of Gastroenterology and Hepatology, Mie University Graduate School of Medicine
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