臨牀消化器内科 Vol.23 No.12(3-1)


特集名 消化器癌化学予防の現状
題名 胃癌化学予防 (1) Helicobacter pylori感染スナネズミ実験モデル
発刊年月 2008年 11月
著者 野崎 浩二 東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学講座消化管外科学教室
著者 清水 伸幸 東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学講座消化管外科学教室
著者 曹 雪源 愛知県がんセンター研究所腫傷病理学部
著者 瀬戸 泰之 東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学講座消化管外科学教室
著者 上西 紀夫 東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学講座消化管外科学教室
著者 立松 正衛 愛知県がんセンター研究所腫傷病理学部
【 要旨 】 H. pylori感染はヒト胃癌発生における重要な危険因子である.スナネズミ (Mongolian gerbil) H. pylori感染モデルは,慢性胃炎や腫瘍および腸上皮化生を含む多彩な病変を発症する.そのためH. pylori感染が及ぼす影響を調査するうえで,ヒトにおける胃粘膜病変の発生を近似しうる重要な実験モデルとなった.この特徴的な動物実験モデルを通じて,H. pylori感染と発癌に関してさまざまな知見が得られてきたが,その結果をヒトに当てはめる際には慎重に判断すべき点も残されている.H. pyloriの病原因子に関して得られた知見と総合的にこの実験モデルを検討する意義は大きいと考えられる.

※この論文のPDFは、著者の意向により公表しておりません。
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