透析療法マニュアル(改訂第8版)

  • 【監修】 鈴木 正司
  • 【編著】 信楽園病院腎センター
  • 【ISBN】 978-4-88875-269-5
  • 【本体価格】 5,600円
  • 【刊行年月】 2014年 06月
  • 【版組】 B5
  • 【ページ数】 580ページ
  • 【在庫】 あり
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改訂8版の刊行にあたって
昭和61年6月に当施設の院内マニュアルをベースに本書の初版を刊行し,本書は常に「臨床の現場で役立つマニュアル本」であることを使命としてきた.そのために,腎不全医療を取り巻く環境の変化にあわせ,幾度かの改訂を重ねてきた.
そして,改訂第7版を発刊したのは4年前の平成22年のことであった.しかしその後の僅か4年間にも関連分野での学問的な進歩があり,新たな薬剤や治療法の認可もあり,加えて国内外において各種分野での治療ガイドラインの公表が相次いでいる現状がある.
また「臨床の現場で役立つマニュアル本」であり続けるには,handyでなければならないが,前版ではその点でやや使い勝手が軽視された点が否めない.
そこで内容の記載にもできるだけ簡潔な箇条書きを採用し,公表されている諸ガイドラインに準拠した治療法を優先して記載し,さらに補足すべき事項や,関連する新たな知見や重要と思われる報告なども「MEMO」欄を設けて盛り込むことをコンセプトにして今回の新たな改訂を行なった.
これまで増加の一途を辿ってきたわが国の維持透析患者数は,JSDTの予測では2021年におよそ35万人で頭打ちとなり,その後は減少に向うとされている.同時に患者の高齢化が一段と加速し,身体的合併症に加えて精神的および社会的な問題を抱える患者の急増が避けられない状況にある.腎不全医療に関わるスタッフとしてはこれらの問題とも向き合わねばならないが,本書がその一助になれれば望外の喜びである.
目 次
第1章 慢性腎臓病(CKD)と慢性腎不全の概念と病態
1.腎機能の測定と評価
2.CKDの定義とその病期分類
3.CKDの原因疾患と症状
4.CKDの保存療法
第2章 腎代替療法(Renal Replacement Therapy)
1.腎代替療法とその選択
2.腎代替(透析)療法への導入基準
3.慢性透析療法の現況
第3章 血液浄化療法の原理
1.血液浄化療法の原理と種類,その適応
2.血液浄化に使用される半透膜と血液浄化器
3.血液浄化に使用される吸着材
4.血液浄化療法の生体への影響
第4章 血液透析療法
1.血液透析療法のシステム
2.透析液の水処理と清浄化
3.透析液と置換液
4.抗凝固薬
5.血液透析の手順・必要物品
第5章 バスキュラーアクセス
1.バスキュラーアクセスの目的と種類
2.バスキュラーアクセスの作成法
3.緊急用バスキュラーアクセス
4.バスキュラーアクセスの評価とトラブル・管理
5.内シャントの血栓除去,再建
第6章 腹膜透析
1.腹膜透析の原理とその適応
2.腹膜透析への導入
3.腹膜透析のカテーテル留置とそのケア
4.腹膜透析の処方(血液透析との併用療法も)
5.腹膜透析の合併症
6.腹膜透析の中止
7.腹膜透析の患者教育
第7章 適正透析とその指標
適正透析とその指標
第8章 長期透析に伴う合併症
(1)循環器系
  • 1.血圧の異常
  • 2.心不全
  • 3.不整脈
  • 4.虚血性心疾患
  • 5.動脈硬化,閉塞性動脈硬化症(ASO,PAD)
  • 6.心弁膜症,心内膜炎,心外膜炎
(2)呼吸器系
  • 1.呼吸器感染症
  • 2.睡眠時無呼吸症候群
(3)消化器系
  • 1.消化器合併症(食道,胃,十二指腸,大腸)
  • 2.肝臓疾患(肝炎),胆道・膵疾患
(4)口腔系
  • 1.口腔乾燥症
  • 2.味覚異常
(5)神経系
  • 1.脳血管障害
  • 2.認知症
  • 3.精神障害,情緒障害
  • 4.睡眠障害
  • 5.薬剤性脳・神経障害
  • 6.末梢神経障害(尿毒症性神経症)
  • 7.自律神経障害
(6)造血器系
  • 1.腎性貧血の発症病態
  • 2.赤血球増殖刺激因子(ESA)療法
(7)代謝の異常
  • 1.ミネラル・骨代謝の異常(CKD-MBD)
  • 2.鉄代謝
  • 3.脂質代謝
  • 4.糖代謝
  • 5.蛋白質・アミノ酸代謝
  • 6.ビタミン代謝
  • 7.微量元素
  • 8.高カリウム血症
  • 9.アルミニウム中毒
(8)内分泌の異常
  • 内分泌の異常
(9)免疫の異常
  • 1.免疫異常
  • 2.感染症
  • 3.悪性腫瘍
(10)その他
  • 1.透析アミロイド症
  • 2.泌尿器系の異常
  • 3.眼の異常
  • 4.皮膚の異常
  • 5.特殊な合併症
第9章 透析患者の栄養と食事
1.CKD・透析患者の食事基準
2.栄養障害の評価基準
3.栄養障害の原因と対策
4.配慮を要する例の食事
第10章 透析患者の運動療法
1.透析患者の体力
2.運動器の異常とロコモティブ症候群
3.透析患者の運動療法とその実際
第11章 維持透析と諸検査
1.定期検査
2.不定期検査
第12章 透析患者への薬物投与
1.腎機能障害時の薬物動態の基礎
2.おもな薬剤の使用法
第13章 透析患者の外科手術
1.外科手術の実態
2.外科手術時の患者管理
第14章 腎臓移植
1.腎移植の適応と禁忌
2.組織適合性
3.免疫抑制療法
4.腎移植の合併症
5.先行的腎移植(preemptive renal transplantation)
6.臓器移植ネットワーク
7.腎移植の現況
第15章 透析医療のリスクマネジメント
(1)医療事故対策
  • 1.透析液の濃度・温度の異常
  • 2.血液回路関連の異常
(2)感染症予防
  • 基本的感染防止の対策と管理
(3)災害対策
  • 1.停電,火災,地震,その他
  • 2.スタッフ・患者の災害教育
  • 3.日本透析医会の災害ネットワーク
第16章 透析患者のQOL
1.QOLの評価法
2.CKD・透析患者の心理と自己管理
第17章 CKD,透析患者が利用できる社会資源
1.利用可能な医療制度
2.介護支援
第18章 慢性腎不全以外に対する血液浄化療法
(1)急性腎不全
  • 1.急性腎不全(急性腎障害:AKI)の概念
  • 2.急性腎不全の原因と診断
  • 3.急性腎不全の経過・臨床症状
  • 4.急性腎不全の保存療法
  • 5.急性腎不全の血液浄化療法
  • 6.急性血液浄化療法患者の看護
(2)多臓器不全
  • 1.多臓器不全(MOF)症候群
  • 2.劇症肝炎,重症肝不全と血液浄化療法
  • 3.重症急性膵炎と血液需要家療法
(3)急性薬物中毒
  • 1.急性薬物中毒に対する血液浄化療法の適応
  • 2.パラコート中毒
  • 3.有機リン中毒
  • 4.グルホシネート中毒
(4)その他
  • 1.神経・筋疾患
  • 2.膠原病
  • 3.高脂血症
  • 4.炎症性腸疾患
  • 5.慢性C型ウイルス肝炎
  • 6.造血器疾患
第19章 透析療法で特別な配慮を要する例
透析療法で特別な配慮を要する例