臨牀透析で好評連載中の「透析患者の画像診断」を書籍化


症例による透析患者の画像診断

  • 【【企画】】 臨牀透析編集委員会
  • 【【編集】】 鈴木 正司
  • 【ISBN】 978-4-88875-216-9
  • 【本体価格】 5,000円
  • 【刊行年月】 2009年 04月
  • 【版組】 B5判
  • 【ページ数】 270ページ
  • 【在庫】 なし

臨牀透析で「症例による透析患者の画像診断」を連載中である。
実際に体験された症例の中から、普遍的な合併症として典型的かつ重要な症例、あるいは予期せぬ合併症として診断や治療に苦慮された症例などを選抜していただいている。毎回とも取上げた症例の経過のあらましと、診断・治療の過程で重要な鍵を握った画像を提示して戴き、その解説を記載している。
本書では,X線CT情報から3次元画像を表示する方法や、アイソトープを使用する「画像」など、高額な装置のため必ずしも一般的に広く使用できない「画像」も含まれるが、病・診連携が進めば、それらの高度な「画像」の恩恵を診療所の患者さんでも受けられる時代になりつつある。
そのような観点からも、透析医療に関連する方々の間で、本冊子が広くご利用されることを希望したい。
主な内容
I 部 心臓・大血管
たこつぼ型心筋障害
へパリン惹起性血小板減少症に深部静脈血栓症を合併した糖尿病性腎不全透析患者
血液透析導入期にMRSA感染性心内膜炎を発症した糖尿病性腎症
腹部大動脈瘤に対してstent graft留置が有用であった例
人工弁に伴う溶血性貧血を合併した例
冠動脈MDCTが有用であった左主幹部病変による狭心症
意識消失で発症したStanford A型急性大動脈解離
II部 腎・尿路
透析患者と一般人にみられた多房性嚢胞状腎細胞癌 (cystic RCC)
多嚢胞化萎縮腎に合併した腎細胞癌
後天性腎嚢胞 (acquired cystic disease of kidney;ACDK) に合併した腎被膜下出血
常染色体優性遺伝性多発性嚢胞腎に対し腎動脈塞栓術後,脾腎シャントを認め,肝性脳症を繰り返した例
透析腎に合併した特発性腎出血
常染色体劣性遺伝型多発性嚢胞腎 (ARPKD) と考えられた例
慢性維持透析患者に発症した腎周囲膿瘍
III部 脳・脊髄・頸部
慢性透析患者に合併した慢性硬膜下血腫
血漿交換を行い著効した血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) 合併のSLE例
末期腎不全の経過をとった脳内石灰化症を特徴とするFahr病
左下顎の疼痛,腫脹を訴えて来院した血液透析患者
IV部 副甲状腺
腎性副甲状腺機能亢進症が再発し,顎下部に異所性副甲状腺を認めた長期透析患者
異所性副甲状腺の局在診断に99mTc-MIBIシンチグラフィが有用であった例
異所性再発がみられた二次性副甲状腺機能亢進症
初回手術時のimplantationが疑われた二次性上皮小体機能亢進症
縦隔内異所性副甲状腺の検出に99mTc-MIBIシンチグラフィが有用であった二次性副甲状腺機能亢進症の再発症例
副甲状腺梗塞の8症例
99mTc-MIBI SPECTが有用であった遺残再発性腎性副甲状腺機能亢進症
V部 バスキュラーアクセス
急激な上肢腫脹と疼痛で発症したバスキュラーアクセストラブル
人工血管静脈吻合部のシャント狭窄に対しステント留置術を施行し,その後ステント内狭窄を血管内エコーで観察しえた例
仮性動脈瘤の3D-CTA画像
吻合部シャント瘤切除術に先立ち3D-CT血管造影法で血管走行を確認した例
シャント側鎖骨下静脈狭窄による静脈高血圧症に対するステント留置の3例
動脈硬化性病変が多発し,バスキュラーアクセス再建に画像的検討が有用であった例
長期型バスキュラーアクセスカテーテルの先端の位置
VI部 腹 部
被嚢性腹膜硬化症
腹痛とイレウスを繰り返した腸管虚血症
多発性嚢胞腎に膵頭部癌を合併し,診断にPETが有用であった維持血液透析患者
ワーファリンR投与に続発した透析患者の巨大大網血腫
治療に難渋した透析患者の虚血性腸炎
腹痛にて受診し腹部CTにて門脈内ガス血症を認め,保存的に加療しえた血液透析患者例
腎嚢胞を認めない多発性嚢胞肝例
慢性維持透析患者に発症した偽膜性腸炎
VII部 肺
Blebを認めた横隔膜交通症に胸腔鏡下縫縮術を施行したCAPD例
プロテインS欠乏症が原因と考えられた肺塞栓症
重症肺炎を発症し治療効果なく短期間で他界した例
VIII部 骨・関節
透析患者に発症し,大腿骨頸部の病的骨折を合併した股関節アミロイドーシス
化膿性脊椎炎
軟部腫瘤により歩行障害をきたした透析症例