透析スタッフの日々の実務に役立つよう,透析中に発生する種々の症状やトラブルを取り上げ,その対策を示した.


血液透析施行時のトラブル・マニュアル

企画にあたって
血液透析療法は,1回4-5時間の体外循環を週2-3回継続して行なわなければなりません。それだけに,毎回の血液透析をトラブルなく,しかも患者にとって苦痛のない出来得る限り快適なものにしたいものです。
血液透析の施行中に,患者は種々の症状を現しますし,人や機械などに起因するトラブルなどが多岐に渡って発生する可能性があります。
本書では血液透析中に発生する種々の症状やトラブルを取り上げ,透析スタッフの日々の実務に役立つことを目論みました。そして,最終目的はこれ等の症状の出現やトラブルの発現を出来るだけ未然に防止することにあります。
主要内容
I. 医療事故概説
1)医療事故の概要
2)院内安全対策
3)法的「医療水準」への適合
II. 症 状
1)頭 痛
2)胸 痛
3)呼吸困難(喀血を含む)
4)嘔気・嘔吐・腹痛
5)下痢と便意促進
6)消化管出血(吐血・下血)
7)筋痙攣
8)てんかん様発作
9)悪寒・戦慄・発熱
10)急激な血圧異常
11)不整脈(頻脈・徐脈)
12)痒 み
13)アレルギー反応
14)急性心因反応
15)急性精神障害・意識喪失
16)イライラ、restless leg syndrome
17)血管痛
18)めまい、耳鳴
19)しゃっくり
III. 人または機械に起因するトラブル
1)ブラッドアクセス関連トラブル
  • (1) 穿刺ミス
  • (2) 静脈圧の上昇
  • (3) 血液再循環
  • (4) 抜針後止血不良
  • (5) 血管内留置カテーテル関連トラブル
  • (6) 消毒薬・テープかぶれ
2)空気混入
3)血液漏出
4)感染事故(針刺し、血液汚染など)
5)接続部の逸脱
6)血液回路・透析器内凝血
7)透析液供給装置の異常
  • (1) 濃度異常
  • (2) 温度異常
  • (3) 透析液汚染
8)患者監視装置の異常
9)集中患者監視システムの異常
10)除水の不足と過剰
IV. 災害時の対応
1)停電・断水
2)火 災
3)地 震
4)洪水と地域災害対策