血液浄化療法の新しい方向性
血液浄化療法の指針
新しい方向性
- 【編集】
斉藤 明/内藤 秀宗
- 【ISBN】
4-88875-098-9
- 【本体価格】
4,600円
- 【刊行年月】
1997年 07月
- 【版組】
B5判 上製クロス装
- 【ページ数】
183ページ
- 【在庫】
なし
新しい血液浄化法の機能分類と適応、合併症治療と個々の血液浄化法の使用方法、血液浄化効率に影響を与える因子とその役割、血液透析液や補充液の純度と組成の治療に与える影響などを日常診療に応用できるようわかりやすく解説した。
目 次
- 1.血液浄化法の歴史的推移と今後の課題 (斎藤 明)
- I.透析治療の創生期
- II.慢性透析のはじまりと1960年代の透析
- III.1970年代の透析と血液濾過法の試み
- IV.ハイパフォーマンス膜の登場と1980年代以降の血液浄化法
- V.これからの血液浄化法
- 2.血液浄化法の原理 (竹沢真吾)
- A.血液透析
- I.拡散
- II.透析
- III.血液透析
- IV.逆濾過・逆拡散
- B.血液透析濾過
- C.血液濾過
- D.血液吸着
- 3.血液浄化器の機能分類と適応病態 (斎藤 明)
- I.血液浄化器の性能評価法と機能分類
- II.血液浄化器の新しい機能分類についての解説
- スタンダード膜透析器とハイパフォーマンス膜透析器の差違/ハイパフォーマンス膜血液透析と血液透析濾過の差違/血液濾過法の現状と今後
- 4.血液浄化法の臨床効果の比較 (甲田 豊)
- I.臨床評価とその指標
- II.スタンダード膜とハイパフォーマンス透析の臨床効果
- 補体活性化の影響/透析膜の吸着除去の意味/ハイパフォーマンス膜の臨床効果
- III.ハイパフォーマンス透析と血液濾過透析
- 血液透析濾過とは/ハイパフォーマンス膜の内部濾過とオン・ラインHDF/血液透析濾過の臨床効果
- IV.血液透析濾過と血液濾過
- 血液濾過の除去特性/血液濾過の臨床効果/push/pull HDF,無酢酸バイオフィルトレーション
- 5.大量液置換血液浄化法 (金 成泰)
- A.push/pull HDF
- I.push/pull HDFの位置づけ
- II.原理と手法
- ストロークヴォリューム/血液回路圧緩衝機構/各種push/pull HDF法の様式
- III.除去特性
- ストロークヴォリューム/refiltration/膜
- IV.臨床効果
- B.オン・ラインHDF
- I.オン・ライン水質基準
- II.原理と手法
- III.除去性能
- 血液流量と濾過速度の関係/濾過速度の影響/透析液流量の影響/前希釈と後希釈HDF/膜選択/アルブミン損失への配慮
- C.オン・ラインHF
- I.オン・ライン後希釈HF
- II.オン・ライン大量前希釈HF
- 透析液の置換液と拡散液への分配/濾過速度と除去能/オン・ライン大量前希釈HFの臨床効果
- D.acetate-free biofiltration
- I.手法と特徴
- II.アシドーシス補正と濾過量の決定
- III.除去特性
- IV.生体適合性
- V.臨床効果
- 血行動態安定化作用/強力なアシドーシス補正に基づくメリット/生体適合性に基づくメリット
- 6.血液浄化器のinvitro評価法 (峰島三千男)
- I.水系性能評価
- II.牛血系性能評価
- <評価基準>
- 7.血液浄化膜の臨床評価 (秋葉 隆)
- I.血液浄化器の臨床評価法
- 薬物の臨床試験と血液浄化器の臨床試験の違い/短期の血液浄化器の臨床評価/長期の血液浄化器の臨床評価
- II.血液浄化器の機能分類と血液浄化法の適応病態
- 8.血液浄化効率に影響を与える因子
- (1)血液蛋白層 (三輪真幹)
- I.protein concentration polarizationの定義
- II.protein concentration polarization形成までに要する時間
- III.protein concentration polarizationの数学的表現
- IV.protein concentration polarizationの形成の抑制
- 圧制御型push/pull HDF/protein permeable membraneを用いた圧制御型push-pull HDFの臨床応用への可能性/protein permeable membraneを用いた圧制御型push-pull HDFの臨床評価
- (2)血液流量,透析液流量(基礎) (峰島三千男)
- I.in vitro評価
- II.クリアランス
- III.総括物質移動―面積係数
- (3)血液流量,透析液流量(臨床) (水口 潤)
- I.臨床評価
- 対象症例/ダイアライザー/操作条件および測定条件/対象溶質および評価項目
- II.透析効率(クリアランス)
- (4)濾過流量 (竹沢真吾)
- I.膜間圧力差と濾過流量
- II.濾過流量と篩係数
- III.濾過流量と溶質除去能
- IV.濾過流量の限界
- (5)透析時間 (金 成泰)
- I.1プールモデルにおける治療時間と効率の関係
- II.2プールモデルにおける治療時間と効率の関係
- III.短時間頻回治療と溶質除去
- IV.長時間治療と溶質除去
- V.治療スケジュール
- long slow hemodialysis(長時間緩徐透析)/in-center nocturnal hospital hemodiafiltration(院内夜間睡眠中HDF)/daily short home hemodialysis(DSHHD:連日短時間家庭透析)/daily nocturnal home hemodialysis(DNHHD:連日夜間睡眠中家庭透析)あるいはslow nocturnal home hemodialysis(SNHHD:緩徐夜間睡眠中家庭透析)
- (6)ヘマトクリット値 (坂下惠一郎)
- I.血液透析効率におけるヘマトクリット値の影響
- なぜヘマトクリット値が影響するのか/各種溶質と赤血球膜透過性/臨床上ヘマトクリット値は影響するか
- II.血液濾過効率におけるヘマトクリット値の影響
- III.血液吸着効率におけるヘマトクリット値の影響
- 9.透析膜構造と生体適合性 (内藤秀宗)
- I.血液/膜反応
- II.膜構造と生体適合性
- 10.透析液の組成と純度
- (1)至適透析液ナトリウム濃度 (篠田俊雄)
- I.透析患者における水・ナトリウムの体内分布と移動
- II.透析液ナトリウム濃度と水・ナトリウムの移動
- III.透析液ナトリウム濃度の歴史的変遷
- IV.高ナトリウム透析,ナトリウム濃度勾配透析法
- V.至適透析液ナトリウム濃度
- (2)至適透析液カルシウム濃度 (大塚正一/篠田俊雄)
- I.現在の透析液カルシウム濃度設定
- II.リン吸着薬との関連
- III.活性型ビタミンD療法との関連
- IV.低カルシウム透析液の適応(特殊例)
- (3)透析液エンドトキシン濃度の目標値 (斎藤 明)
- I.エンドトキシンとその活性
- II.透析液エンドトキシン濃度の目標値
- III.透析液エンドトキシンの低濃度化には
- IV.オン・ライン治療における補充液のエンドトキシン濃度
- 11.補充液の組成とその問題点 (青池郁夫/鈴木正司)
- I.置換液と透析液の組み合わせ(HDF)
- II.市販置換液を用いた血液濾過(HF)
- III.オン・ライン方式
- IV.acetate free biofiltration
- V.酢酸による緩衝作用と問題点
- VI.電解質の濃度について
- VII.急性血液浄化療法における補充液について